會津の凍み餅

凍み餅

そろそろ凍み餅が出来上がる頃かと友人に電話したら怒られた。
音信不通も大概にしろとの話「食い物の要求だけは忘れないんだな」としこたま怒られた。
 
凍み餅とは寒中に餅を凍らせた、書いて字の如し、餅のフリーズドライ食品で、高野とうふの餅版である。
 
古くは會津藩の時代、特段に寒い集落で造らせて租税の変わりに納めさせたという記録もあり、戦場における糧秣あるいは非常用食糧として重宝したらしい。
 
 寒中の、特に気温の下がるような夜に水をぶっかけて戸外にさらすとガチガチに凍り、やがて気温の上昇と共に氷が蒸発してスカスカの餅が出来上がる。
 
 「あそこの家を重点的に攻めろ。あそこはジジイとババアの貧乏家だから盗んでは駄目だぞ」
 鼻持ちなら無い金持ちを重点的に狙い、貧乏な家には決して手を出すなとの餓鬼大将の指示があり、堅くなった雪の上を渡って盗みまくったものである。
 盗んだ餅は子供たちの年齢や権力の強さによって配分され、鎮守様の裏手で焚き火をして振り分けられる。大抵はそのまま食するが、中には」醤油か味噌を持ってくる気の利いた奴が居て、彼は特別に1枚多く割り当てられる。

 醤油のジュワーッと染み込んだ凍み餅はとっても美味かったが、婆さんが油で揚げ、砂糖醤油に浸した奴が何と言っても最高だった。